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ゆとりコンサル徒然日記

外資系戦略コンサルに就職した若手の日常

ケース面接を突破するには?新卒/中途の採用面接・対策

コンサル 業界事情 採用面接

1~2年ほど前から採用チームに入ったこともあり、新卒・中途の採用面接を担当することも多くなった。

今回は、戦略コンサル会社がどういった人間を求めているか・その資質を測る為に面接で何を重視しているかについてフォーカスして書きたい。

また、海千山千あるコンサル就活支援本(ケース面接対策本)の中でも、自身の就職活動も踏まえ特に有用だと思った書籍を併せてご紹介する。

 

頭の良さは前提条件として必須

会社として応募者に求める能力は、ファームに依らず概ね似通っているかと思う。つらつらと挙げると、ロジカルシンキング・イシューアナリシス・対外的コミュニケーション力・協調性・リーダーシップ等であろう。

但し、採用の場においてそれぞれの位置づけは異なる。

結論から言うと、頭の良さ(ロジカルシンキング・イシューアナリシス)が前提として必須であり、逆に言うとそれが無い限りはどんなに素晴らしい人材であっても採用しない

いわば予選として頭の良さを見ており、それが無い限りはリーチ=マイケル並のリーダーシップがあろうが、おぎやはぎ矢作並のコミュ力があろうが予選落ちなのである。

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こうした予選を通過して初めて、副次的能力の部分を評価する。極論、クソみたいな性格だが頭は抜群に切れる人間Aと、リーダーシップ・協調性申し分無いものの脳みそスポンジボブの人間Bが居た場合、間違いなく前者のAを採用する。

(実際はその様な究極の二択を迫られる場合は少なく、同等程度に頭が切れる応募者に対して、どちらが会社にフィットしそうか・クライアントにより成熟した振る舞いが出来そうかなどのソフトな部分で合否を判断する場合が多い。)

 

近年、特に新卒採用においては、皆が皆国際協力団体の代表だったり、NPOに参画していたりとどうしても経歴の部分、ソフトの部分の加点を目指そうとするきらいがある様に感じるが、実際に何の経歴が無くとも前提としての頭の良さがあり、まともに人とコミュニケーションがあれば採用されるので、装飾ではない前提条件の部分を磨きこんで頂きたい所存である。

思考の拡張性・ディスカッション能力を問う

そうした頭の良さを図る上で、やはりケース面接は欠かせない。新卒だろうが中途だろうが、国内採用だろうが海外採用だろうが、必ず一度はケース面接を実施する。

上述の求める能力とも関係するが、結果として見た場合、面接対象者の95%以上は、ケース面接の出来で判断している。

では、頭の良さ、というある種抽象的な要素を、ケース面接の中でどの様に図っているのか。

一般的なケース面接の流れとして、①題材の定義・理解、②分析・回答作成、③コミュニケーションの3つに分かれるが、私は①・③をとにかく重視して見るようにしている。

  • ①題材の定義・理解

そもそも近年は巷にケース対策本も溢れており、"スタバの1年間の売上は?"なんて質問を出そうものなら、理路整然と半ば機械的に回答出来る応募者も非常に多いことだろう。そうなった場合、真に頭が良い人間と、ケース本を暗記してきた人間の見極めが出来ないリスクがある為、非常にまずい。

そのリスクを排除すべく、ケースの対象業界・領域を多少ニッチなものに振ることが多い。

例えば、ホームセンターの年間売上、の様に業界自体をずらしたり、東海道新幹線の途中下車人数、など求める対象をよく聞かれる売上や乗客数からずらしたり、といった具合である。

あくまで、題材は消費者として提供価値・利用シーンが想起できる範囲であるべきだが、ド直球な題材は避けるということだ。

そうしたケースは、一見初見ではあるものの、他のケースで培った考え方が転用しうる場合が多い為、優秀な応募者(結果として採用に至る応募者)は思考を拡張して筋の良いアプローチに至る場合が多い。

  • ③コミュニケーション

いざ、アプローチが決まった後は、計算の正しさや打ち手を考える際の筋の良さなどは勿論あるのだが、実際の面接官との回答のコミュニケーションによって頭の良さを推し量る部分が大きい。具体的には、ディスカッションの中で回答が進化するか否かを見ている。

機械的に回答を暗記してきた応募者は、考え方から結果まで明確に説明をしてくれるのだが、ことディスカッションで回答が進化する場合が極めて少ない。

逆に優秀な応募者の場合は、ディスカッション開始時の回答の質が必ずしも高くなくとも、適切なフレームやヒントを提示さえすれば、ディスカッションの内容を踏まえ回答が進化し、最後にはかなり質の高いアウトプットとなることが殆どだ。

 

①にも③にも共通して言えるが、決められたルートを正しく走れるか、ということよりも、ルートが無い中でいかに正しい道を引けるか、という点を見ている。

実際のプロジェクトにおいても勿論後者のケースが殆どで、他業界や他社の事例のアナロジー、チーム・クライアントとのコミュニケーションの中でのアウトプットの進化は非常に重要である。

どういう対策をするべきなのか

では、面接を受ける側としてどういった対策を取るべきなのか。

機械的暗記が悪かのように書いたが、最低限のインプット・基礎固めは重要である。0から1は生まれない。

大事なのは、基礎を積んだ上で、その基礎の応用性を高めること・基礎を違う角度から見つめることだと思う。

後段で面接に備えて読むべき本をご紹介するが、私はどんな対策本を読むにしろ、とにかく上記を意識しながらケース対策をしていた。

具体的には、

  • ある問題の解き方が、どの様な問題にも当てはまるか可能な限り極端なものまで幅出ししてみる
  • 同じ問題を、別の考え方・フレームワークで解くとどうなるか考えて見る

1点目はどんな問題が来てもアナロジーを効かせる訓練になるし、2点目はディスカッションの中で与えられるインプットの背景理解・インプットを踏まえた進化の訓練になる。

この対策も必ずしも最善ではないかもしれないが、想定していない状況への対応力を高めるという意味で、ただ機械的にケース問題を解くよりは100倍マシだと思うので是非お試しあれ(少なくとも理系でビジネスのことを何も知らなかった筆者にとっては有用だった)。

【参考】お勧め書籍

コンサルの面接対策本は色々読んだが、中でも「これは役に立つ」と思った本を以下に紹介する。

 「東大生が書いた...」シリーズはあまり個人的には好きではないが、この2冊は良書だと思う。所謂基礎のインプットの一歩目として非常に有用。切口は必ずしも意味が無い/薄いものもあったりするので、逆に言うと同じ問題で切口を変えてみる練習にも。

 

過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題

過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題

 

「東大生~」シリーズは読んだ、という中級者向け。より思考プロセスが明確に描写されている為、どういう風に論点の構造を捉えたのか、その中でなぜこのアプローチに至ったのか、を理解しやすい。単純なケースと切口ではなく、この間のプロセスがあることで、より多様な問題への対応力が上がる。

 

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

 

 最後に紹介する本は、ケース面接を直接的に題材とした本ではない(むしろ、内定~入社直後に読む方がインパクトは大きい)が、「覚えること」ではなく「深い回答をすること」を目的にした場合、最良の本である。「なんとなくの試算や打ち手出しはできるんだけど、いまいち筋が良くない気がする」という方に是非読んで欲しい一冊。

終わりに

上で偉そうに色々述べたが、私は相当就職活動で苦戦したクチである。ケース面接が何かも知らず、全くイケてないアウトプットで落とされ、機械的にケース回答を覚えたものの、ちょっと問題を変えられると対応できず落とされ、自分なりにどんな問題でも回答を作れるようになったものの、考えの広がりや深みを求められるディスカッションで落とされ・・・

これからコンサル業界への就職・転職を目指す方にとって、この記事が1mmでも助けになれば幸いである。