「内定貰ったけど何したらいいの?」コンサル内定~入社までにやるべきこと
どうも。かすてらこんぶです。
6月に入りめっきり暑さも増してきましたね。個人的に季節の変わり目になると必ず風邪を引いてしまう体質なので、社会人・学生の皆様に置かれましてもご自愛下さい。
本日は、“コンサルティングファームの内定を貰ったけど、何をしたら良いのか?“と気にされている方々向けの記事になります。主には新卒の方向けの内容にはなりますが、中途の方にも共通する部分はあるかと思いますので、一読頂ければと思います!
結論:内定を得たからといって必ずしも大きく行動を変える必要は無い
いきなり身も蓋もありませんが(笑)、コンサルに内定したからといって、自分の生活・行動を大きく変化させる必要はありません。
よく内定者から相談される、”短期留学は行った方が良いのか“・”本は読むべきか”・”内定までの間社内インターンは積極的にすべきか” 等の質問。
これらは当然回答としてはYesになるのですが、いずれも自身の生活スタイルを大きく変えざるを得ない上に時間・お金の投資が必要になるものなので、必須事項かと言われれば答えはNoです。
本当に自分の中で苦手意識があり、投資を厭わない内容であれば上記にトライする事は否定しませんが、自身は理系院生かつ関西在住で時間が取りにくかったこともあり、いずれも実行しませんでした。
それでも入社後の業務には支障はありませんでしたし、やはり語学にせよ本で得る知識にせよ業務の熟知にせよ、OJTに勝るものはありませんので、学生としての本分を全うする方が良いのではというのが私見です。
※時間・お金の投資余力もあり、やはり入社前に出来ることならば何でもしたい!という方向けには、別記事にてよりTips寄りのオススメ書籍 等、公開予定です。
では、漫然と学生生活を過ごせば良いのか、と言われるとそれもまた違うと思います。
具体的に、以下2点はコンサル入社前にやるべきこととして、非常に投資対効果が優れていると思います。
必ずやった方が良いこと①:日常でのなぜなぜ思考の徹底
なぜなぜ思考とは名の如く、ある事象に対してその背景をなぜ?という観点で深掘りしていく思考です。
コンサルタントとしてクライアントの経営課題やその解を考える上で、「なぜ?」を追求する事は必須になります。
例えばマッサージチェーンで一例を挙げると以下の様になります。
事象1:全社売上が今期から急落している
↓なぜ?
可能性の例:
・全店で売上が一様に落ちている
・新規店は堅調に売上を積みましている一方、既存店の売上が急落している
・2Qより競合チェーンが一気に店舗網を拡大した為、隣接地域の売上が落ちている
↓検討(店舗タイプ別・時間軸別の売上分析)
事象2:新規店は堅調に売上を積みましている一方、既存店の売上が急落していた
↓なぜ?
可能性の例:
・既存のリピーターがサービスに飽きて剥落している
・リピーターは相変わらず利用継続しているものの、そもそもの新規流入数が減少
・新規もある程度取れているが、初回来店後のリピート率が減少している
↓検討(既存店顧客層別の売上分析)
事象3:既存のリピーターがサービスに飽きて剥落している
↓なぜ?
可能性の例:
・単純にサービスに飽きられている(顧客寿命の限界)
・リピーターを繋ぎ止めていたベテラン施術師が大量に退職している
・新規獲得に向けたキャンペーンによりリピーター向け稼働スロットが減少している
↓検討(既存店の稼働状況・人員体制分析及び店舗・顧客へのヒアリング)
事象4:リピーターを繋ぎ止めていたベテラン施術師が大量に退職していた
...といった形で、必ずしも検討をしなくとも、奥にある背景を推察することは可能です。上記の背景が真なのであれば、退職原因のなぜ?を更に深掘して、事象1の原因を探索し解決策を検討するのが筋でしょう。それは慢性的なやりがいの不足かもしれませんし、社内の給与規定の改定かもしれませんし、競合からの引き抜きかもしれません。
この様に、なぜなぜ思考は、表面の事象から真因に辿り着く為には欠かせない思考ですし、ある意味仮説思考の入口であることが分かるかと思います。
更に重要なのは、必ずしも対象が経営課題である必要は無く、自身の身の回りの事象からでも本思考を培うことが出来る、という事です。
例えばコンビニに行く場面を想定して下さい。
お酒やお菓子、弁当が多数並んでいる中で、視覚的によく見える位置にある商品もあれば、屈まないと見えない様な位置にある商品もあります。
商品によっては、通常の棚とは別に、レジ前陳列の商品もあります。
これらはなぜなのでしょうか?
重要なのは、必ずしも答え合わせは必要ではないという事、なぜ?を1度で終わらせず深掘りして答えを逆再生しストーリー化するという事です。
二点目についてマッサージチェーンの例でいうと、
新規競合サービスが大規模展開の布石として、当社のベテラン施術師の引き抜きを画策し、
それが原因で既存店を支えていたベテラン施術師が今期に大量退職し、
それが原因で既存のリピーターも既存店から剥落し、
それが原因で既存店の売上が大きく減少し、
それが原因で全社としての売上も大きく落ちた、という流れですね。
これらは正しいかもしれませんし、間違っているかもしれません。けれども、事象を掘り返しそれを説明するストーリーとして、一つのあり得る答えだと思います。
なぜなぜ思考の鍛錬は大きな時間やお金を必要とせず、かつコンサルの仕事上必要となるものなので、内定~入社までに実施されると良いのではないかと思います。
ちなみにコンサルに限らず大企業でもなぜ?を追求する風土は奨励されており、
例えばトヨタでは「なぜなぜ五回」という文化があります。事象に対してなぜ?を必ず五回は繰り返すというものであり、個人的にはトヨタの強みを支える屋台骨ではないかと思料しております。
必ずやった方が良いこと②:逆張りの実践・正当化
2つ目は、逆張りの実践・正当化です。ここでの逆張りとは、自分が本来選択するであろう行動や信念と真逆(或いは大きく異なる)の行動・信念を取ること、と定義します。
例えば、
・朝シャワーで済ませるところを、夜風呂にしてみる
・一夫多妻制に反対な立場を、賛成に置いてみる
・コンサルが必要だと考えている中で、コンサル不要論を唱えてみる 等です。
普段皆様が取られている行動や信念には、認識の程度はあれど背景に理由がある筈です。
例えば一夫多妻制で言うと、私が本来反対している背景は大きく2つで、
・倫理的に良くない
・遺伝的にも種の多様性が減ずる可能性がある為良くない
です。
一方、賛成の立場を取るとすると、
・一夫一妻制では優秀な遺伝子・才能を持つ人間の種としての機会損失が大きい
・“優秀”を定義する性質は見た目の良さや身体の強さ、知能、金を稼ぐ才能等、単一ではなく複数存在する為、種の多様性が減少する影響も充分無視できる
等の理屈をこねることが出来ます。
この逆張りを行う意味としては、
・現状の自身の行動・信念の背景を明文化し理解出来る事
・自身と異なる考え方についてもある種の理屈を以て正当化しうる事
に尽きます。
コンサルタントとしてプロジェクトに入ると、クライアントは勿論、上司や時には過去の自分と反対の意見を取らざるを得ない場面は必ず出てきます。
そうした際に、それを盲目的に肯定/否定するのではなく、そもそも両者の背景を理解することで、どちらが正しいかを判断したり、どちらも有る一面でしか正しく無い場合それらを折衷したり、という真に正しい選択が出来ます。
意外と盲目的に自分でスタンスを取っている、という事柄は少なくない為、こちらも時間やお金を必要としない思考訓練として、日常から始められる鍛錬では無いかと思います。
まとめ
以上、コンサル内定後に直ぐに始められる鍛錬として、なぜなぜ思考と逆張りをご紹介させて頂きました。
いざ実行してみると、“こんなので良いのかな”等、不安になることもあるかと思いますが、コンサルタントの真髄は小手先の語学やExcelのスキルではなく思考である事に鑑みるに、必ず皆様の血肉になる事だと思料します。
より余力がある方は留学や読書、PCスキル向上等アドオンで出来ることもありますので、そちらは今後別記事でご紹介したいと思います。
論点思考や仮説思考については此方に解説しております。
・論点思考・仮説思考ってコンサルでよく言うけど結局何? - ゆとりとコンサルとわたし
読了ありがとうございました。